「頑張れ日本!」。グループリーグの突破をかけて、もうあとがないサッカー日本代表。次戦は、強豪スペインとの一戦。ドイツ戦の「必然」を再び見せてほしいと願っています。
さて、今回の投稿は、「カタールワールドカップの試合会場はなぜ涼しいのか?」というものです。さらに厳密にいうと、なぜピッチ上は快適に試合ができるように保たれているかという内容です。ワールドカップが始まり、かなりの試合数が消化された中、このピッチの温度管理が徹底されているという言説は何度も耳にしました。この時期のカタールの気温は30数℃ありますが、試合が行われるピッチ上はというと、20数℃に保たれているというのです。これはどんな技術が使われているのか、とても気になりました。というのも、日本では夏場のサッカーでは前後半でウォータータイムアウトと呼ばれる飲水の休憩がとられるからです。しかし、今回のワールドカップではウォータータイムアウトが取られません。これは、明らかにピッチ上が暑くないからです。その不思議に迫っていきます。
私がインターネット上で見つけた記事がこちらです(Watch: How ‘Dr Cool’ is helping fans at the Qatar FIFA World Cup URL: https://sportstar.thehindu.com/football/fifa-world-cup/videos/fifa-world-cup-2022-qatar-temperature-players-cooling-air-conditioning-stadiums-crowds-odour-control/article66155469.ece)。この記事によると、あるカタールの技術者の長年培った研究の成果が使われているようなのです。その技術者の名は、サウド・アブドゥルアジズ・アブドゥル・ガーニ氏。またの名を「ドクター・クール」。彼は空調技術の研究者です。「13年間にわたり太陽光発電による冷却システムの開発に取り組み、空調技術で選手や芝生の健康を保ち、満員のスタジアムでの体臭を消すことさえできる」と述べています。また、サウド氏によると、高さ2メートルの「完全に隔離された」冷気の泡が、ピッチとスタンドを包むと述べています。「このバブルの中では、ピッチサイドと観客席の下にジェット機で空気を送り込み、選手やファンを21℃に保つ」というものです。ということは、ピッチ上だけでなく、スタジアムに応援に来ているファンもこの「涼しさ」を享受できるということになります。さらに、スタジアムの周囲に設置されたセンサーが温度を一定に保ち、日陰や日向の席では空気の流れを調整する技術を備えているというものですから、これは現地に応援に行った日本サポーターにスタジアムがいかに快適であったか(暑さ寒さの体感を含め)聞いてみたいところです。ただ、試合を見ていると日差し・日射まではカバーできないので、その辺りの空調温度のコントロールはどのようになっているのかは気になります。
もう一つ、注目すべき点がこの莫大な電力が必要そうな空調設備は、太陽光発電というクリーンエネルギーで賄われているという点です。この点は、日本で開催された東京オリンピックと大きく異なる点だと私は考えます。エネルギー資源国でありながら、このようなクリーンエネルギーを活用することは、海外への大きなアピールとなります。
このように、カタールワールドカップは世界の潮流に即したかたちで安全に運営できる様々な技術が取り入れられていることが見て取れます。そして、今大会で使われるスタジアムの一部か全部か定かではないですが、新たな姿となり、商業施設や共同住宅になると耳にしました。建築関係の人間として、今後どのようになるか注目していきたいです。