当社が見積書に「1式」と書く場合のルール

リフォーム

相見積もりを取っても、一つとして同じ見積もりがないのが建設業界です。

例えば、「こういうふうにリフォームしたい!」と思い立ち、3社に声をかけて見積もりしてもらっても、項目も数量も違うなんてことは日常茶飯事です。なぜこのような事態になるのか。それは、いくつか理由があります。まず、使用する材料、工程、職人の数や技量が様々だからです。不思議なもので、ゴールは同じでもそれまでの過程が往々にして異なるのが建設業界あるあるなのです。そして、もう一つ理由を挙げるとすれば、会社または個人事業主ごとに独自のルールを設けているからです。これこれこういう時は「1式」と書こうと決めている何かしらの判断軸が、見積書に表れています。そのため、もし見積書で疑問に思ったことやわからないことは、担当者にじゃんじゃん質問しましょう。お客様(お施主様)の質問に上手く答えられなかったり、曖昧な返事だったら依頼するのを再考しましょう。たまに、数量が「1式」だらけの見積書を拝見することがありますが、「うちだったらこう書くな」「ここは説明書きがいるな」と思うこともしばしばです。

当社の場合、建築工事の見積書に「1式」と書く場合は次のようにルールを決めています。

1.特注品

2.数量で表記しにくいもの

3.これ以上細分化できないもの

まず、「1.特注品」ですが、メーカーが既製品でなく特注品を製作した場合に当社へ「1式」と見積もりが届くことがあるので、その表記を踏襲し「1式」と表記するようにしています。

「2.数量で表記しにくいもの」は、何かを取り付ける工事の際に、釘1本の値段やキリで1か所穴を開ける工程を細分化して見積りで表そうとすると、見積書が明細だらけのカオスとなります。そのため、これ以上細分化できないと判断した場合は「1式」と表すようにしています。

「3.これ以上細分化できないもの」も「1式」で表すようにします。例えば、「重機運搬費」「リース代」などです。どちらかというと、有形物でなく無形物(サービスなど)が多い気がします。

たまに「1式だらけの見積もりは良くない!」という趣旨の記事を見ることがあるのですが、必ずしもそうとは限りません。「1式を納得いくように説明できない業者」が良くないのです。繰り返しになりますが、1式の表記を疑問に感じたり、違和感を覚えたら、遠慮なく担当者にたずねてみましょう!