はじめに
今回の内容は、インスタグラムで投稿した記事のスピンオフ記事です。「新築物件がかつて墓地だった件」というタイトルで、住まいがある建物が元墓地か否かを見分けるポイントを紹介しました。少し視点をずらして「事故物件」の内容を書いています。思えば、私(=著者)の生家は「事故物件」でないはずなのに明らかに目に見えない者、居てはいけない者がいました。私が生まれる前に建った家で、かつてはその土地は古墳だった可能性がありました。墓地だった可能性すらあります。幼少期は割と霊感が強かったせいか、目に見えない存在を感じる体験が数多くありました。建築と不動産に携わるようになり、私のように霊感がある(あった)人、そのような類に敏感な方は結構な数いらっしゃるはずです。そのため、そのような方々の新しい家に移る際、新しい家を建てる際に何か参考になればという思いで書いています。
不動産ガイドラインで設定された告知義務
2020年2月に国土交通省が「宅建業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しました。ざっくりまとめると、告知義務がが発生しない場合は、
*土地建物・賃貸借・売買問わず、自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)。 ※事案発覚からの経過期間の定めなし。
*共用部(集合住宅の階段や玄関ホールなど)で発生した事案(殺人含む)から3年経過後
もちろん、他にも制限やルールいくつかあります。私のように敏感な方は、「それだけ?」と思うかもしれませんが、これが現実です。そのため、「人の死の発覚から経過した期間や死因に関わらず、買主・借主から事案の有無について問われた場合や、社会的影響の大きさから買主・借主において把握しておくべき特段の事情があると認識した場合 等は告げる必要がある」とはっきり明記してあります。敏感な方は、不動産屋に絶対質問するようにしましょう。
どこまでが「事故物件」か
結局のところ、「告知義務は人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合」であって、それに該当しない場合は義務ではないのです。この線引きの曖昧性は、今のところ宅建業者に委ねられそうです。ガイドラインの作成はいまだに完了しておらず、まだまだ議論が続きそうです。
地元民しか知らない情報が必ずある
古墳、墓地、屠殺場、処刑場、古戦場跡、虐殺、生贄…。歴史的に見ると、その土地で殺人が起こった可能性はいくらでもあります。しかし、時を経れば起きた事が風化していってしまい、歴史の記録としても残らない事実が数多くあることでしょう。もはや、調べようがない事実は山ほどあるでしょう。
昭和時代とりわけ戦後は、日本国土全域が日本史史上最も開発された時代といっても過言ではありません。一部では、乱開発が行われてきたのも事実です。インスタグラムで書きましたが、墓地を宅地にするにあたり墓石を土中に埋め込んだ事例は実際にあります(もちろん当社ではありません)。壊してはいけない物を破壊したり、御神木を伐採したり、別の場所に移したりといったケースもあります。このような無茶苦茶な事が、経済発展の名の下に行われてきました。しかし、当時を知る人は引っ越しや既に亡くなっている可能性があり、そのような情報を得るには難しいのが現状です。
良くも悪くも人の記憶には限界があります。そして、記憶や記録を伝承する人がいなくなれば、次の世代へ受け継がれにくくなります。私が幼い頃に遊んでいた公園は、実は墓地だったことを大人になって知りました。そして、いま住む家はかつての古戦場跡とも年配の方から聞いたことがあります。このような情報は地元民しかほとんど知られていません。文書で残っていても、残ってればラッキーな程度です。もしかすると、知らず知らずの内に私達は先祖の屍の上で平然と暮らしているのかもしれないのです。
新しい家に住む前にできること
目に見えない者に敏感な方へ、私が新しい住まいに移る前にぜひおすすめしたいのは、新しい住まいのことを自分で調べ上げるということです。具体的に何をすれば
良いのかというと、
1.不動産屋には事故物件かどうかを必ず聞く
2.大島てるでチェック
3.周辺住民(特に年配の方)への聞き込み
4.郷土資料を図書館で調べる
5.登記簿や図書館で本当の地名を調べる
などです。私も敏感な方なので、ここまで調べます。
あとは、物件を見た時、入った時の直感も大事です。初期費用や引越し代含めお金が無駄にならないように、しっかりと見極めましょう!